至福の時
もう今は実家も引越しをしてしまって遠くなってしまったのですが、昔はよく、近所にある小さな本屋さんへとお邪魔しておりました。
そこでは小さいながらも良書を揃えてくださっていて、学生の時分はそれこそ、時を忘れるかのごとく、入り浸っておりました。
今から思えば、こういう客はかなり迷惑だったんじゃないかなぁと恐縮至極、身も縮まる思いでいたりするのですが、そこの店長さんは、うちの父が懇意の将棋仲間ということもあって、お忙しい中でも会えばいろいろと気さくに話をしてくれ、また本の入荷などに関しても融通をしてくださったりといわば、私の知の大師匠でもありました。
なにしろ、そんな店長さんの未だい凄いと思っていることのひとつに、確かに当時は小さな本屋さんではあったのですが、それでも扱っている書はかなりの冊数がありました。
でもその本の全てを彼は読んでいた・・・というか、読んでから入荷していたのだそう。
子供心になんともそれは凄い・・・・と尊敬の眼差しで見ていたのですが、それがどんなに偉大で有難いことなのかと知ったのは、地元を飛び出して都会で通う羽目になった本屋でのこと。
日本一大きい・・・とか、かの有名な・・・という本屋さんに行っても、私が見慣れていたような「読みたい!!」と思わせるような本棚の作りではない。
確かに種類は多いのだけれど、きらりっと輝るような本が棚に沢山詰まっているわけでもない。
あれあれ??・・・・と思い、小さな本屋さんをめぐってもみたのですが、そこでも品揃えが単純に新作とか、話題作とかが置いてあるだけで、私が望んでいるような本は殆ど置いていなかったりする。
何軒か回った後でようやく、もしかして、私が普通だと思っていたあの本屋さんって、特別凄いとびっきりな本屋さんだったんじゃないの????と気づいた次第なのですが、そんなエピソードをつい思い出させるようなコミックを見つけ、思わず買ってしまいました。
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本屋の森のあかり 2 (2) (講談社コミックスキス) 著者:磯谷 友紀 |
ここに出てくる眼鏡さん、私がお世話になっていた本屋さんの店長さんのタイプとは大きく違いますが(大師匠と仰いでらっしゃる店長さんは、ほわーっというタイプよりも何処か切れ者!という感じでしたので)、でも本にかける情熱は一緒。
思わず、あの店長さんのお顔を思い出しながら読んでしまいました。
やはり出きる方が作っている本屋さんの本棚って、凄いんですね。
また本屋の経営がこんなに大変なものなのだ、と改めて感服させていただきました。
(それだけにこの中にも出てきましたけれど、万引きなんてやってしまう連中が許せませぬ~~!!本が好きで好きで、っていうのならまだ理解したくないけれど、情状酌量の余地は少しだけおいておこう。でも転売のためというのだからやりきれない。こういう人たちはどうにかできないものなんでしょうかね?)
今も地元に帰ると、既に大きく何店舗も構える大書店へと変貌してしまっておりますけれど、そのうちのどれかにお邪魔することにしています。
そして今はもうすっかり年をとられた店長さんと奇跡的にどの店舗かでお会いしたときには、時々お話させてもらいますけれど、社長業がお忙しい中でも、やっぱり出きるだけ本には目を通してらっしゃるのだとか。
そんなお店の品揃えは、店長さんの管轄から離れたせいで、ちょっと昔よりは甘くなってしまったような感じではありますが、やっぱり素敵な本ばかりです。
出来ればまたあそこの本屋をたずねて数時間、本の森を彷徨いたいものです。
今年くらいには、帰るチャンスがあるといいなぁ・・・・・。
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